広島県と言ったら,私にとってのNO,1は,「しまなみ海道」だ。これまで訪れた地の中でまちがいなく私のトップ10に入る。
大学生だった息子二人と夫につきあってもらって,それまで行きたくてたまらなかった「しまなみ海道」に,5月の連休に行った。三男は浪人中だったので,残念ながら一緒には行かなかった。
「しまなみ海道」は,尾道を出発して,瀬戸内海の島々にかかる7つの橋を渡って,愛媛の今治まで行く。文字通り「海の道」だ。約70kmのサイクリングロードが完備されている。乗り捨てレンタサイクルのシステムも整っている。
尾道で,自転車を積み込めるレンタカーを借りた。自転車は3台借りた。息子たちは「おっ,〇〇がある!」などと,私には全くわからない自転車の種類がレンタルであることを喜んで選んでいた。
尾道からのスタートは,目の前にある島までの船に乗ることで始まった。もちろん自転車を積み込める。ほんの5分くらいの船旅だ。船がお手軽な乗り合いバスのような存在であることに,わくわくする。
とはいえ,私は,車の運転だ。
次の島の待ち合わせポイントを確認して車を走らせる。
連休といえど,この頃はまだ「しまなみ海道」の認知度は,今ほどではなかったようだ。人は少なくはなかったが,多すぎて困るほどでもなかった。快晴が続き,5月の気温は,海に架けた橋を渡るには,最高だった。
左右に広がる海と島々。開放感。「最高!」以上に表現する言葉は出てこない。
ポイントポイントで落ち合い,休憩したり食事をとったり,ちょっとした観光をしながら島を渡って行った。
若者二人は,軽やかに自転車をこぎ続けた。
夫は,時々,自転車を車に積み込んで運転したり,自転車をこいだりしていた。
私は,1か所だけ,自転車をこいで橋を渡った。
橋は,自転車で渡ろうとすると,それまでの車とは全く異なったものになった。
まず,橋の上にたどり着くまでには,自転車をこぎ続けて登らねばならない。想像以上に,高く,登りは長く,大変なものだった。
しかし,たどり着いた橋を渡った爽快感は,たとえようのないものだった。車では知ることのできないすばらしいものだった。いつまでも続いてほしいと願った。
そして「亀老山展望公園」からの絶景も忘れられない。
体を鍛えて,自転車にすいすい乗れるようになって,再び「しまなみ海道」に挑戦したい。今度は,全て自転車で渡ってみたい。
そう思うけれど,なかなか…。
きっと,同じように天候に恵まれることは難しいだろう。
そう思いながらも,でもやっぱり,もう一度行きたい。