今日は大晦日。以前は,暮れに家の隅から隅まで完全に掃除しないといけないと自分に決めて,自分の首を絞めていた。窓のレールの内側の角の黒い汚れを楊枝を使って取り,ボンスターでピカピカに磨いていた。
いつからかそこまではしなくなった。気力体力の衰えがあるのは確かだ。加えて,「まあ,いいか」と思えるようになったこともある。「楽をするのはいけないことだ」と思っていた。それが,「手を抜いて楽をしても悪いわけじゃない,無理しすぎないのも大事」と,思えるようになった。正直,これは「頑張れないからできないことが出てくる」のと紙一重だ。
しかし,選ぶのは自分。選んだ結果を肯定できるのも自分だ。肯定して気持ちを楽にすることを選んでいる。「でも,これは堕落かなあ」と,堂々巡りにもなる。
掃除には手を抜くようになったが,大晦日のご馳走と正月のおせち料理は,まあまあ頑張っている。料理はうまくはない。しかし,家族には我慢して食べてもらっている。煮しめだごぼう巻きだとあれこれ作って重箱に詰める。たっぷり作ったら,3日間は何もしない。家族には,好きな時間に好きなものをセルフサービスで出して食べてもらう。息子たちは,それがあたりまえと思っていると思う。でも,正月のありようは,家庭によってそれぞれ異なるものだろう。いい加減なことをすることの多い母の下で育った息子たちが,きちんとした家庭のお嫁さんをもらったら,苦労をかけるだろうなと申し訳なくなる。
さてさて,カレーの話だ。それなりの正月料理を用意するわけだが,3日目には,だいたいカレーが食べたくなる。食べたくなることを見越して,カレーの材料は買っておく。休みが続いて気持ちにも時間にもゆとりがあると,カレーを作るのも楽しい。時間をかけて玉ねぎを炒め,ゆっくり煮込む。正月のカレーは格別においしい。