息子たちは,けっこう私のカレー食べ歩きに付き合ってくれた。
「食べ歩き」というほど食べ歩いてはいないが,機会があるときに,おいしそうな店に行って食べるのに,息子たちは何度か付き合ってくれた。
中学生の息子とある喫茶店に入った時だ。その喫茶店は,カレーがおいしいと評判だった。息子も私も平日に休みの日があり,平日に行ったその店はすいていた。
カレーが来るまで,私と息子は,それぞれに持参した本を読んでいた。それを見て,カレーを運んできた喫茶店の女性は,「いいですねえ。親子で本を読んでいるなんて,すてきですね。」と,言った。
そんな高尚なイメージではない。でも,なんだかうれしくなって,この言葉を覚えている。
カレーは,もちろんおいしかった。